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マニラ首都圏でのテロ危険性は「中程度」を維持 - イスラム過激派の潜伏を考慮

フィリピン軍のカリート・ガルベス・メイ司令官は、東南アジア一帯にイスラム国(IS)の司令官(エミール)が存在していることを確認した上で、ISの思想に傾倒しながらも普段は一般市民と同じ生活をしている潜伏戦闘員「スリーパーセル」がフィリピン中に広がっているとする先の主張を改めて強調しました。

・ ISに忠誠を誓う過激派によるテロ活動はマニラ首都圏よりもミンダナオ島(フィリピン南部)で起こる可能性が高いが、マニラ首都圏のテロ危険度は「中程度」を維持
・ 過激派は2017年のマラウィ(ミンダナオ州)での紛争後、弱体化の状態にあるが、支配地域のミンダナオ中部及び南西部の周辺部では、限定的かつ突発的なテロ発生の可能性がある
・ 政府と元イスラム系分離独立派との間で締結された2014年和平協定が履行段階に移らない、あるいは本来の中身が薄められる可能性が高く、その場合、ISの影響を受ける過激派グループが新兵招集、支援者獲得の点で恩恵を受ける結果となる。

スリーパーセル
ある軍幹部は、アブ・サヤフ(ASG)、バンサモロ・イスラム自由戦士(BIFF)やマウテ・グループなど、ISに忠誠を誓う過激派が国内に「スリーパーセル」として潜んでおり、個人でテロを起こす能力を有する「ローン・ウルフ(一匹狼)」だと述べました。この幹部は、かつて、このような過激派はラグナ州、マニラ首都圏の一部、特にケソンなどで活動していたが、現在の潜伏地として、バギオ、ダグパン、セブなどの都市部や、タルラック州やサマール州などを挙げています。より具体的な軍の情報によると、スリーパーセルは複数の過激派グループと関わりを持ち、情報収集と地元でのネットワークの形成のために展開されていると見ています。
こうした形での接触は、マニラではほぼ確実に確認されており、過去数年間の警察による大々的な襲撃・逮捕劇がそれを証明されています。ただし、その中の一部には非公表のものもあります。また、2017年、アブ・サヤフの武装グループがボホール州に上陸した際、アブ・サヤフによる身代金誘拐の手助けを希望していた地元の支援者と接触を持ったと報告されています。その支援者とは、過激派のひとつと繋がっていた警官でした。ボホールの一件により、マニラ及びセブ以外の地域でもスリーパーセルの活発な動きがあることが判明しています。スリーパーセルが大規模かつ重要な被害を与えるようなテロ攻撃を行う確率はサマールやバギオにおいて低く、地元自治体や関係当局による捜査がなくても潜入すら容易ではないとされており、仮にテロを起こしても過激派へのアピールも限定的なものになるとされています。

マラウィの余波
2017年にマラウィで発生したフィリピン軍との衝突では、1,000人以上の戦闘員が亡くなりました。その当時と比べて、ISに忠誠を誓う過激派は遥かに弱体化していると評価されています。これらのグループは、マギンダナオ、コタバト両州やスールー諸島以外では大規模かつ継続的な活動を行うことはできない可能性が高い一方で、主要な戦闘地域においても、小規模の爆発テロを起こす程度だろうとされています。
フィリピン上下両院(立法府)が、今後数ヶ月間に、かつての最大規模のイスラム分離独立派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)との包括和平の履行を定めた、バンサロモ基本法(BBL)を否決もしくは骨抜きとした場合、バンサモロ・イスラム自由戦士やアブ・サヤフといった過激派がこの機を利用して勢力を拡大させるものを考えられます。また、最高裁が基本法の施行を延期の決定を下す、あるいは一部条項に対する違憲判決を下した場合、IS寄りの過激派に有利に働く可能性があります。こうしたシナリオの下では、現状に不満を抱くMILF戦闘員の中にはこれらの過激派に加入しようとする者も現れそうです。そうなると、かなりの戦闘経験、多くの武器、そして国家を攻撃する強い意思が過激派に注入されることになります。

 

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