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地方首長、大統領との対話を要請

先日タナワン市長が殺された記事を御紹介しましたが、その後も実は地方トップの襲撃が相次いでいます。これに慄いた首長達についての記事を御紹介。

それにしてもデスノートのように自分の名前がリストに挙がってしまっていたら怖いですね・・・

 

フィリピン首長会(LMP)は、1週間の間に2人の首長がそれぞれ襲撃された事を受け、ドゥテルテ大統領との対話を要請しました。

同会の会長で、東ミンドロ州ソコロ市長のMaria Fe Brondial氏は、7月4日、地方自治体の首長は、いわゆる「麻薬政治家リスト」に関してドゥテルテ大統領との話し合いの要請を行う意向を示し、その中で「リストにある首長たちは、命の危険に怯えています。そんな彼らに同情します。彼らはこう言うのです『自分は薬物に手を出してない。なぜリストに載っているのかわからない』」と述べました。

大統領による残虐な麻薬戦争において、このリストに名前が掲載されている地方政府の高官が殺害されています。

同じく7月4日、フィリピン市長会(LCP)は、2件の「計画的殺害」 - 2日に発生したバタンガス州タナウナン市のアントニオ・ハリリ市長、及びその翌日に発生したヌエヴァ・エシハ州ゼネラル・ティニオ町のフェルディナンド・ボテ町長の殺害 - を非難し、地方政府の高官の生命を危険に及ぼしかねないリストの見直しを求めました。

市長会の会長でアンヘレス市長のEdgardo Pamintuan氏は、地方政府の高官の生命を守るため、「フィリピン麻薬取締庁は、適法な手続の下、高官たちが政府の麻薬リストから除名されるよう、リストの妥当性の審査、裁定、再確認を行うべきだ」と述べました。

7月2日の午前、ハリリ市長は市役所前で行われた国旗掲揚の式典の最中、約150メートル離れた草深い小山に潜んでいた狙撃兵により殺害されました。

一方、ボテ町長は3日午後、訪問先のカバナチュアン市の国家灌漑庁の事務所を車で出発した際、バイクに乗った2人組の男が町長の車に近づき、町長を目掛けて銃弾を5発浴びせました。町長は即死でした。

ハリリ市長は大統領のリストに名前が挙がっていましたが、市長は違法麻薬取引への関与を否定していました。

大統領はハリリ氏への襲撃は麻薬絡みであると主張する一方、殺害された市長の娘、アンジェリーン・ハリリさんは、大統領は誤った情報で判断していると反論しました。

アンジェリーンさんは 「麻薬当局は大統領に真実を語っていません。大統領に虚偽の情報を与えているのです。だから、リストの正当性を再調査すべきです。どんな証拠なのですか?どこに証拠があるのですか?」と訴えました。

一方、中部ルソン警察によると、ボテ氏は犯罪監視リストに載っていなかったとされています。

Pamintuan氏は声明で「指導者を暗殺するのは、我が国の文化とは異なる。私たちは適正な法手続きを支持し、法の支配を尊重する」と述べ、その上で当局に対し「これらの事件の解決と首謀者の逮捕に向けて全力を傾けるべきだ」と要求しました。

また、市長会のヌエヴァ・エシハ支部長でペナランダ市長のFerdinand Abesamis氏も、ボテ町長殺害の徹底的な捜査を訴えました。

そして、市長会はハリリ市長とボテ町長の殺害を非難する声明を出しました。

Brondial氏は、首長たちは大統領へ警察に対する指揮権を返還するよう求めると述べました。この権利、違法麻薬取引との関係が疑われるとの理由で、国家警察委員会が剥奪したものです。

ジョベラー市長で市長会のアルバイ州支部長のJorem Arcangel氏は「犯行そのものが許せない。特にハリリ氏は市役所での国旗掲揚式典の最中に暗殺されたから余計に許せない」と、ハリリ氏とボテ氏の殺害を残念がりました。

Arcangel氏は、ハリリ市長の問題が麻薬に関わるものだったか、あるいはタナウナン市で犯罪者に行わせた「恥の行進」キャンペーンにあったのであれば、正当な法手続を経てその問題が解決させるべきだとした一方、「政治的な理由だったのなら、指導者の椅子を奪うためだけに殺害されるなどあってはならないことだ」と語りました。

デュマリーナオ市長で市長会南サンボアンガ州支部長のJunaflor Cerilles氏は、「昨今の地方自治体の幹部の殺害を見ていると、自らの身が守られていないのではないかと不安になる。警察の護衛がないから余計にそう感じるのだ」と不安を訴え、フィリピン国家警察を監督する自治省に対し首長の保護を要請しました。

また、リサール州テレサ市のRaul Palino市長は、政府の工作員がテレサ市内で市長の活動を調べ回ることに気を掛けていないと自信を見せ、市長がかつて自治省に要請した麻薬リストの再調査に対する努力を歓迎しました。

Palino市長はまた、自身の名前がリストからの除名が行われるよう、国家警察委員会に対して迅速なリストの再調査を求めました。

一方、大統領に違法麻薬取引との関係の嫌疑をかけられているイロイロ州の町長2名は、自らの運命は神に委ねてほかないと悲痛な叫びをあらわにしました。

カルレル町のSalagunting Betita町長は「今は私への嫌疑が真実かどうかに関わらず憂慮な事態である。しかし、私は運命を神に委ねるしかない。その時が来たらその時だ」と述べました。

また、マアシン町のMariano Malones町長は、ハリリ氏とボテ氏の殺害後であっても自らの身の危険を心配しないとしつつ「もし私が標的になるのであれば、もうどうしようもない。私が厳重な警備に守られていても、犯人は何らかの手法で標的にするだろう」述べました。

さらに「異常な形で日常を過ごしたくない」とし、ボディーガードによる護衛や追加の安全策を行うつもりもないとも述べました。

一方、生命の危険に懸念を示すマニラ首都圏の市長はいなかったものの、マニラ首都圏警察の幹部は、首都圏の市長に対して、市長自身が「ハード・ターゲット」になる可能性があると警告を行いました。

首都圏警察のGuillermo Eleazar警視正は、首都圏の市長は地元警察と協力して身の安全を守るよう指示しました。また、地元当局者が襲撃を受けないようにするため、マニラ首都圏を管轄する5箇所の警察署長に対し、パトロールと情報収集の強化と検問の設置を行うよう要請しました。

 

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