大統領、タナウアン市長は麻薬取引に関与していたとの見方を示す
先日発生したタナウアン市長殺害事件は、白昼多数の職員に囲まれていたにもかかわらず、200メートル先からスナイパ=に一発で胸を打ち抜かれるという、ゴルゴ13も顔負けの衝撃的な事件でした。
その件に関しての続報を数回に亘っていくつか御紹介します。
タナウアン市のアントニオ・ハリリ市長の射殺から数時間後、ドゥテルテ大統領は、彼が違法麻薬取引に関わっており、その罪に相当な報いを受けたと主張しました。
「先程、ハリリがバタンガスで事件に遭った。彼は薬物中毒者をパレードで見せしめにしたが、彼こそが取引に関わったのだ、恥を見るべきは彼だ」7月2日月曜日、南レイテ州マーシン市で行われた記念式典で大統領は述べました。
(ハリリ市長は大統領の政策にのっかるような形で薬物中毒者に私はクスリをやりました、という看板をつけてサンドイッチマンのようにして町を練り歩かせるなどしていたようです)
その後、ビザヤで大統領は「彼こそが薬物に手を染めていたと疑念を抱いている」と付け加えました。
ハリリ市長に対する大統領の発言は、市長が政府の反違法麻薬キャンペーンの「熱心な支持者」だとする、ハリー・ローク大統領報道官の7月2日の発言と矛盾するものです。
ドゥテルテ政権において、ハリリ市長は麻薬中毒の申告者と麻薬密売人に対し「恥の行進 (walk of shame)」を強要させたことで有名になりました。この措置によって、市長は「バタンガスのドゥテルテ」との異名まで付きました。
しかし、大統領は演説の中で、西ミサミス州オザミス市のレイナルド・パロジノグ氏やレイテ州アルブエラのローランド・エスピノサ氏などといった、任期中に殺害された市長とハリリ市長を同列で語りました。
パロジノグ氏、エスピノサ氏は共に、大統領の「麻薬政治家」リストに含まれており、かつ警察の捜査の過程で殺害されました。
ハリリ市長は、麻薬取引に関わっているとする機密情報を元に、国家警察委員会により警察に対する指揮権を剥奪された地方政府の首長のひとりです。
大統領は、違法麻薬取引に関わる者は誰でも殺害をするつもりであり、地方政府の高官も例外ではないと繰り返し警告を出していました。
ハリリ市長は、7月2日午前、タナウアン市で行われた国旗掲揚の式典の最中、銃撃されました。白昼堂々の出来事でした。
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