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地方政府関係者の暗殺多発でも、セキュリティリスク上昇の可能性は低い

最近地方政府首長のニュースばかりお伝えしていますが、今日はそれにかんする識者の見方をお伝えします。

フィリピンも危ないように感じますが、危ないところにいかなければ大丈夫です。正しく怖がりましょう。

 

地元メディアは、7月初旬、ルソン島の2人の首長が1週間の間に別々の事件で暗殺されたと報じました。

● 反政府派は、これらの事件の機に乗じて、暴力的な反麻薬キャンペーンを展開するロドリゴ・ドゥテルテ大統領への攻擊を続ける見込み
● 暗殺事件はまだ捜査段階にあるが、2019年5月の国政選挙が迫る中、選挙に対する懸念が事件の引き金になった可能性が高い
● 選挙関係の暴力事件は今後1年で増加する見込みだが、企業とその従業員が直接的に標的になる可能性は低い

 

徹底抗戦

野党の上院議員で政権批判の急先鋒であるアントニオ・トリリャネス氏は、7月3日、今回の殺害事件で、「この国の根底にドゥテルテ氏による暴力の文化が流れている」という事実が顕著になり、その上で「ドゥテルテ氏はフィリピンをアジアにおける殺人の中心地に変えようとしている」と大統領を非難しました。

今回の殺害事件に関して、ドゥテルテ大統領が作り上げた「刑事免責の風土」を反映したものという批判に対して、7月4日、ハリー・ロケ大統領報道官は「犯罪撲滅を政権の主要政策とする大統領への信頼を覆そうとする試みだ」と述べました。

射殺事件後、フィリピン国家警察の当局者は事件の徹底捜査を約束した一方、ロケ氏は3日、国家警察は「公平かつ徹底的な捜査」を行い、犯人を見つけ出すと確信していると述べました。

 

暴力の連鎖
ドゥテルテ氏が2016年半ばに政権を握って以降、毎年、フィリピン国内の地方自治体の首長が殺害される事件が発生しています。

政府は、これらの事件の中には違法麻薬取引と関連したものもあると主張しています。

暴力的な手法と、それに対する論争が展開されることで有名になった反麻薬キャンペーンは、ドゥテルテ政権を特徴づけたものの1つです。

ルソン島の殺害事件が麻薬取引と関連している可能性は残るものの、7月4日、自治省のエドゥアルド・アニョ担当官は、殺されたヌエヴァ・エシハ州ゼネラル・ティニオ町のフェルディナンド・ボテ町長はフィリピン麻薬取締庁の「麻薬リスト」に含まれていなかったと明らかにしました。

当局は、ボテ氏一族が関与する採石ビジネスに関わる争いに町長が巻き込まれた可能性と同時に、ボテ氏の政敵が2019年選挙でのボテ氏再選を妨げようとした可能性の両面で捜査を行っています。

一方、7月2日に殺害されたバタンガス州タナウアン市のアントニオ・ハリリ市長は、ボテ氏以上に物議を醸しだす経歴の持ち主です。

ハリリ氏は、麻薬関連の罪で逮捕した犯罪者たちを街中でパレードさせるなどして、強権な麻薬対策ぶりを印象づけさせました。

これにより自らを麻薬犯罪者との印象を打ち消そうとしましたが、それにもかかわらず、彼は麻薬関連の犯罪との関与があるとの報道は消えません。

フィリピンでは、選挙が近づくにつれて暴力事件が増える傾向にあるのは普通なことで、比較的簡単に武器を入手できることが、さらに事態を悪化させる傾向にあります。

しかし、その手の犯罪者は通常、企業やその従業員を標的にしません。仮に被害に遭ったとしても、それらは意図的ではなく偶発的なものです。

最近の殺害事件で標的となった人物を見た場合でも、市民には負傷者が出ておらず、企業選挙に関わる暴力事件の影響を受ける可能性は低いと思われます。

 

 

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